当院では昨年の12月16日よりピロリ菌外来が開設されました。検査室でもそれに対応できるように体制を整えています。最近、よく耳にする
ピロリ菌、一体、どんな菌なのか、皆さんご存知ですか?
【ピロリ菌って何?】
ピロリ菌なんて可愛い名前がついていますが正式名は「ヘリコバクター・ピロリ」と言います。
「ヘリコ」とは「らせん」とか「旋回」という意味。ヘリコプターのヘリコと同じです。「バクター」とはバクテリア(細菌)。ピロリとは胃の出口(幽門)を指す「ピロルス」からきています。胃潰瘍や十二指腸潰瘍が再発する原因の1つに、ピロリ菌が関係することが明らかになっているほか、ヘリコバクター・ピロリに感染していると、感染していない人よりも胃がんになる確率が高くなることが分かっており、世界保健機関(WHO)でもピロリ菌の除菌治療を奨励していま
す。
【ピロリ菌の検査について】
ピロリ菌の検査は大きく分けて2つあります。1つは内視鏡(胃カメラ)を使った検査、もう1つは内視鏡を使わない検査です。
内視鏡を使う検査には
① 培養法・・・培養してピロリ菌がいるかどうか調べる
② 迅速ウレアーゼ法・・・PHの試験薬によりアンモニアの有無を調べる
③ 組織鏡検法・・・顕微鏡でピロリ菌を探したり、胃粘膜のピロリ菌による異変を調べる
があります。これらは内視鏡を使って胃の組織を一部採取し、菌を培養したり、染色したりしてピロリ菌の有無を調べます。
内視鏡を使わない検査には
① 尿素呼気試験・・・後ほど説明します
② 抗体法・・・血液や尿からピロリ菌に対する抗体の有無を調べる
③ 抗原法・・・便を用いてピロリ菌自体の有無を調べる
があります。内視鏡を使わない検査では何よりも胃カメラを飲まずにすむという大きなメリットがあります。②はピロリ菌がいなくなってもしばらくは抗体が残っているため、除菌後の検査には使えません。この中でも最も一般的、かつ精度の高い尿素呼気試験についてお話します。
【原理】
尿素を含んだ検査薬を服用し、服用前後の呼気に含まれる二酸化炭素の量を比較する検査です。
ピロリ菌は尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解し、アルカリ性のアンモニアを体にまとい、酸性の胃の中を動き回ります。そのため、大量に残った二酸化炭素は呼気として排出されます。
【検査の流れ】
検査は結果が出る時間を入れても30分程度です。当院でも尿素呼気試験を院内にて実施しております。
【こんな人は要注意!】
・ 胃炎や胃・十二指腸潰瘍を起こしやすい
・ 胃の不快感が長期間(半年以上)続いている
・ 薬を飲んでも一時的にしか回復しない
・ 1970年以前に生まれている(または年齢が40歳前後である)
・ 衛生環境の悪いところに住んでいたことがある
・ 家族にピロリ菌の感染者がいる
上記の項目に1つでも当てはまる人はピロリ菌に感染している可能性があります。中でも最初の『胃炎や胃・十二指腸潰瘍を起こしやすい』に当てはまる人はピロリ菌に感染していることが多いようです。ご自身の健康のためにも、ぜひ一度ピロリ菌の検査を受けてみてはいかがでしょうか?
症状等により、保険診療になる方、自費診療になる方がおられます。詳しくはホームページトップのピロリ菌外来を御覧下さいね。
臨床検査部 なるち
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