森林キャンプで気をつけたいこと
梅雨が続いています。写真は梅雨の晴れ間に撮影した、美観地区で餌を貰っている白
鳥の親子です。親鳥が二羽とも子供達を見守っているのがなんとも微笑ましい光景です。
さて、岡山県備前地区でもマダニからの感染による日本紅斑熱の患者さんについて報道がありましたが、東北・新潟地方では、同じくダニの仲間のツツガムシからのツツガムシ病の発生が例年より多いとのことです。全身の発疹から麻疹(はしか)と間違われたケースも報道されています。日本紅斑熱やツツガムシ病では、ダニの刺し口があるとされていますが、衣服に隠れたところの場合もあるので、下着の中まで念入りに探さないと判らないかもしれません。また、一般住宅・建物にいるダニからは感染しないので、藪・野山・河川敷・畑などに出かけたかどうかを確認する必要があります。森林地でのキャンプに行っていたら要注意です。
ツツガムシ病の症状:ダニと接触したかもしれない日から5~14日以内に、①39以上の発熱で発症。この時点では発熱原因は特定困難ですが、もしダニによるなら刺し口があるはずです。②その後、数日以内に体幹部を中心とした全身の発疹が出現。刺された所だけに発疹が出るのではありません。また、他の発疹性疾患と同じように全身倦怠感・食欲不振・頭痛・悪寒などを伴うことも多い。刺し口は、タバコの火を押し付けた位の大きさ(1cm位)
日本紅斑熱の症状:ツツガムシ病とほぼ同じです。刺し口はツツガムシより小さく数mm位。(写真参照)
治療:ダニの持つリケッチアが病原体なので、テトラサイクリン系の抗菌薬。(ミノマイシン・ビブラマイシン) 鉄(貧血の薬)・マグネシウム(下剤など)・アルミニウム(胃腸薬など)・カルシウム(乳酸カルシウムや牛乳)と同時服用すると吸収されず効果減弱。未治療だと重篤になる可能性があります。予防は、ワクチンは無いので、ダニがいるかもしれない所へ行く時は刺されにくい服装をして、直接地面にしゃがみこんだり寝そべったりせず、帰宅したら衣服を着替えて入浴するなどの「刺されない工夫」しかありません。
ダニの持つリケッチアによる感染症は、国内ではQ熱、アナプラズマ症、外国ではエーリキア症・ロッキー山紅斑熱があります。森林地で注意する細菌感染症には、野兎病・ライム病などがあります。
刺されると言えば、コガタアカイエカによる日本脳炎にも注意が必要です。しかし、蚊に刺されないのは至難の技であり、感染の機会を減らすように努力するのとワクチンでの予防が第一です。日本脳炎ワクチン接種を控えていた時期により、接種が完済していない子供達がいます。日本脳炎ウィルスの感染源は家畜の豚だけではなくイノシシその他の野生の哺乳動物のこともあります。(虫除け剤の使用時注意:生後6ヶ月まではなるべく使わない。小児では吸い込まないために手のひらにつけてから塗るようにする。)
ムカデや蜂に咬まれたり(ダニも正確には「咬まれる」でしょうか)刺されたりもイヤなものです。ムカデ毒と蜂毒に対するアレルギーは共通する部分もあるようです。全身反応の出たことのある人は、アナフィラキシー対策としての「エピペン(エピネフリンの自己注射薬)」の携行をお勧めします。局所の痛みや腫れに対しては、従来、炎症を鎮める目的で「冷やす」ように言われていましたが、ムカデや蜂の毒素は多くがタンパク質なので、刺された直後であれば、43度くらいのお湯に数分間浸したりシャワーをかけたりすると毒素が分解されるので、腫れや痛みが早くとれるようです。直後に冷やすと、その時は症状が隠されても毒素の影響は軽減せず、結局炎症が進行するようです。(時間が経ってからでは毒素が皮膚の深部に達しているので、43度以上にするのは低温熱傷の危険だけとなりますから充分注意してください。)
脱水症に気をつけながら、楽しい夏を過ごしましょう。(2008年6月20日の「熱中症 飲む輸液」を参照して下さい。)
平成南町クリニック 医師 玉田
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