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2015年2月20日 (金)

高尿酸血症と低尿酸血症

 

高尿酸血症とは、尿酸値が7.0mg/dLを超える場合を言います。起こりうる症状や疾患は、①尿酸塩の結晶によっておこるものとして、(1)痛風(尿酸 Na 針状結晶による関節炎 70%は足の親指付け根の関節におこります。)、(2)尿路結石(腎臓や尿管に結石)、(3)痛風腎(尿酸そのものや尿酸塩による腎機能障害)、(4)痛風結節(無痛の肉芽腫 関節・耳介・皮下組織)などがあります。②尿酸塩によらずに、血液中の尿酸が多いことによって血管障害がおこり、動脈硬化の原因になりうると言われています。高血圧、虚血性心臓病や脳梗塞のリスクが高くなります。
 高尿酸血症の原因は何でしょうか。①尿酸の排泄低下 これには、腎臓からの排泄低下(肝臓で作られる尿酸700mgのうち7割の500mg)の場合と、腸管からの排泄低下(3割の200mg)があります。腸管からの排泄が低下していることを、直接証明することが現在は不可能なので、この排泄低下の結果おこる高尿酸血症は、次の産生過剰とみなされます。②尿酸の産出過剰 この原因は、一部の遺伝的なプリン代謝酵素異常を除いては判っていません。実際には①のうちの腸管からの排泄低下も含まれています。
高い尿酸値を下げるにはどのような方法があるでしょうか。①尿酸産生を抑制する。そのためには、(1)尿酸の原料となる食品摂取を減らす(プリン体の多い食材を減らす。動物の内臓・魚の干物や乾物など)、(2)体内での産生を減らす(内臓脂肪を減らす。糖質の摂りすぎを避ける。)(3)薬剤で減らす アロプリノール(腎臓排泄型)とフェブキソスタット(胆汁排泄型)があります。②腎臓からの排泄を薬剤で増加させる。(1)尿細管での尿酸の再吸収を抑制する。プロベネシド、ベンズブロマロン (2)腎臓からの尿酸排泄促進 ブコローム(消炎鎮痛薬) ②排泄阻害を避ける。アルコールを摂り過ぎない、激しい運動を避ける(これらは乳酸を増やすので、乳酸排泄が優先され尿酸排泄が抑制される) ③腸管からの排泄増加 これに関してはまだ治療法不明です。

尿酸塩の結晶による障害を減らすためには、①酸性で結晶化するので、尿のpHを下げないようにします。アルカリ性食品(海藻類 干しシイタケ 大豆 ホウレン草 ゴボウ など)の摂取、アルカリ化剤(クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤)の服用 ②冷やすと結晶化しやすいので足先などを冷やさない ③関節に強い力がかかり続けると痛風発作が起きやすいので、そのような運動を避ける。などがあります。
 低尿酸血症という病気もあります。尿酸値2.0mg/dL以下を言います。原因は、①尿酸産生低下 これは非常に稀な遺伝的疾患です。尿酸になる前の物質の沈着で関節炎が起きたり尿路結石が出来たりします。②腎臓での尿への尿酸排泄亢進 (1)再吸収障害 A尿細管障害による続発性 B遺伝的な原因による特発性 (2)分泌亢進 (3)一過性の低尿酸血症 頸静脈的高カロリー輸液、糖尿病、悪性腫瘍、SIADH、薬剤など。
低尿酸血症の人の合併症として運動後腎不全症候群があります。尿酸には活性酸素を除去する作用があるので、尿酸が少なすぎると活性酸素の害が出てしまうのです。やや激しい運動(無酸素運動)の数時間後に腎臓の血流低下による尿細管障害による急性腎不全が起こることがあります。自覚症状としては運動後の腰背部痛・嘔気嘔吐です。風邪をひいていて無理をしたり解熱鎮痛薬を服用しながら運動したりした後に起こりやすいと言われています。また、普段から尿中の尿酸が多いので尿路結石を生じ易くなります。
また、尿酸値が低いほどアルツハイマー病などの脳の変性疾患にかかり易いという報告もあります。

 この頃、尿酸値がかなり低い高齢者の方が見受けられるので、気になっています。

平成南町クリニック 玉田

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