2015年2月14日 (土)

認知症の症状を理解する①

 前回は、エピソード(出来事の記憶)記憶障害と、それに伴う心理状態の変化が、周囲の人とのかかわりにどのように影響を与えるか、ということについてお話しました。今回は、記憶以外の面から、認知症を有する人がどのような不自由さを感じやすいか、ということについてお話したいと思います。
 まず、時間や場所の認識のことを専門用語で「見当識」といいます。認知症では見当識に支障が生じやすいとされています。
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 上の図は見当識に支障が生じた結果、どのような不自由さを感じる事が多いかを示しています。
 次に、意図したことを実際の行動に按配して実行するといった機能を専門用語で「実行機能」といいます。では実行機能に支障が生じた場合、どのような不自由さを感じる事が多いかというと、
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 次に、言葉を話したり、理解したりする機能のことを専門用語で「言語機能」といいます。これらの機能が障害された状態を専門用語で失語といいます。「それ」が何か、どういったものなのかということを認識することが障害された状態を、専門用語で失認といいます。では、こういった機能が障害された場合に、どのような不自由さを感じやすいかというと、
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 上記の障害は、他者とのコミュニケ―ションに不自由さを生じさせます。

 認知症において、これまで説明したさまざまな機能の障害のされかたの強弱は人それぞれによって異なります。つまり、人によって不自由さが異なるということは、その不自由さを補う周囲の人の援助の方法も人それぞれ異なってきます。
今回は、記憶以外の面から、認知症を有する人がどのような不自由さを感じやすいか、ということについてお話ししました。次回は、この不自由さに対して、周囲の人がどのように対応したらよいか、ということについてお話したいと思います。

「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要であり、診断・治療のためには地域のかかりつけの医師との情報共有が非常に重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはかかりつけの医師にご相談下さい。
認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535

(執筆者;CP阿部)

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2015年1月13日 (火)

認知症とは?⑦

前回は、アルツハイマー型認知症の人の、エピソード記憶障害(出来事の記憶)と心理状態の結びつきについてお話しました。今回は、エピソード記憶障害と、それに伴う心理状態の変化が、周囲の人とのかかわりにどのように影響を与えるか、ということについてお話したいと思います。

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この図と下の図は、ご本人に身近な人が体験することが多い「何度も何度もしつこく同じことを繰り返し尋ねる、言う、する」現象に対して、身近にいる人の対応次第でご本人がどのように反応することが多いかを示しています。身近にいる人から見れば、何度も同じことを繰り返しているのですが、エピソード記憶障害をもつ、ご本人の実感としては毎回が「今、初めて言った(した)こと」と認識されやすくなります。エピソード記憶は忘却されやすいのですが、相手の感情を読み取る、雰囲気を感じ取ることには大きな支障がないため、身近な人の「さっきも言った(した)でしょ!!」といった言動は、ご本人にとっては、いわれなく突然に相手から負の感情をぶつけられたといった、唐突で思いがけない出来事として認識されます。その結果、不安や混乱(本人は「怒られてばっかり」と感じる)をきたし、怒りの感情を生じる(身近な人から見て「(本人が)怒りっぽくなった」と感じる)ことにつながりやすくなります。

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上の図では、エピソード記憶障害がきっかけで、ご本人と身近な人との関係性が、お互いが矛を突き合わせているかのように(結果的に)なりやすい、ということを示しています。こういったネガティブな関係性になることを避けるためには、記憶障害を含めた、認知症の症状の特徴を理解する事がまずはとても大切だと言われています。これまでのブログで数回に分けて認知症とは?という話題で、主にアルツハイマー型認知症における記憶障害の特徴についてお話してきました。次回は認知症の症状を理解するには、というお話をしたいと思います。
「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要であり、診断・治療のためには地域のかかりつけの医師との情報共有が非常に重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはかかりつけの医師にご相談下さい。

認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535

CP 阿部

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2015年1月 4日 (日)

第3回もの忘れ予防カフェ開催報告

 当院の認知症疾患医療センターは、平成24年3月に設立されました。外来では毎日たくさんの患者さんが受診される中、患者さんだけでなく『ご家族のケア』も大切になってきます。そこで、昨年より患者さん・ご家族ともに参加できる会として『物忘れ予防カフェ』を立ち上げることができました。

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 このたび、『第3回物忘れ予防カフェ(認知症疾患医療センター主催)』を12月20日(土)の10時から12時、倉敷在宅総合ケアセンター4階多目的ホールにて開催することができました。当日はあいにくのお天気でしたが、15家族35名の方にご参加を頂きました。前回同様に3家族の方々には、幹事(ボランティア)として受付や喫茶コーナーを担当してもらい、会を一緒になって盛り上げて頂きました。

 涌谷先生からのお話では、故高倉健さんの名言から「人生っていうのは、人と人との出会い。一生の間にどんな人と出会えるかで、人生は決まるんじゃないですか」などの言葉を紹介いただき、この会もそんな出会い・交流のきっかけになっていければと感じました。また前回も好評だった“運動”は、『予防体操』として家でも行える内容で、作業療法士 川上さんをはじめとする予防リハビリのスタッフの方々に行って頂きました。“ステップをふみながら、決められた数のところで手をたたく”といった動作は思いのほか難しく、みんな笑顔で顔を見合わせながら真剣になって取り組まれていました。

 会の後半は、飲物やお菓子を食べながら、“お正月のポチ袋作り”“射的”“ゴマ煎餅作り”“昔懐かしいお話”などのコーナーを自由に回って頂きました。また、幹事(ボランティア)のご家族からの要望もあり今回初めて『ホットほっとコーナー』として、ご家族同士の交流を図るためのコーナーも設けました。コーナー開始時は少し緊張の面持ちでしたが、次第に打ち解け、日頃の介護の中での工夫等を話し合い、『交流』を深めることができたようでした。

 倉敷市では、65歳以上の方が安心して元気に過ごせるよう気軽に利用できる相談窓口として『高齢者支援センター』が各地域に設置されており、今回『老松・中洲地区 高齢者支援センター』の職員にも会に参加頂きました。『物忘れ予防カフェ』も認知症疾患医療センターだけの取り組みにとどまらず、『交流』の輪が地域にもつながっていくよう今後も企画・工夫をしていきたいと思っています。

 認知症疾患医療センターでは、患者さん・ご家族ともに参加でき、他のご家族と交流できる会として『物忘れ予防カフェ』を今後も定期的に開催していく予定です。同時に来年は、『認知症』をテーマにご家族の方々への教育・啓発活動として、<家族教室>も企画していけたらと思っています。

CP うえ

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2014年12月 9日 (火)

認知症とは?⑥

前回は、アルツハイマー型認知症の人の記憶の成り立ちの特徴と、一般的な記憶の成り立ちの特徴の違いについてお話ししました。今回は、アルツハイマー型認知症の人の記憶の成り立ちの特徴と感情の結びつきによって、どのような心理状態を引き起こしやすいか、ということについてお話したいと思います。まずは前回の認知症の人の記憶の成り立ちについておさらいをしましょう。

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アルツハイマー型認知症の人では、最近の出来事の記憶(エピソード記憶)が忘却されやすくなります。それによって、現在の出来事を理解・判断・記憶するために、かなり以前の出来事の記憶や個人の常識・知恵・知識のみによって関連づけをせざるを得なくなります。そうなると、現在の出来事の記憶は通常よりも、周囲の人から見れば勘違いや取り違いと判断されるようなアンバランスを生じるようになります。さらに、本人にとってみれば、現在の出来事は突然に起こった思いがけない出来事として体験されやすくなります。急に起こった思いがけない出来事には、人は誰でもギョッとなったり冷汗をかいたり、迷ったり、といったこころの動きを生じるものではないでしょうか。

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よく、認知症の人には自覚が無い(病覚が無い)、という言葉を耳にします。はたして本当にそうなのでしょうか。現状の思いがけない出来事に直面し、「何かおかしい。(周りの人?環境?まさか自分自身?に今までとは違う変化が起きている)こんなはずじゃない・・」といった感覚を体験(自覚)した際のこころの動きとして、我々としても十分に理解でき得るものではないでしょうか。事実、周囲の人が「(本人が)怒りっぽくなった」と感じているケースも多くあります。
今回は、アルツハイマー型認知症の人の、エピソード記憶障害と心理状態の結びつきについてお話しました。次回は、エピソード記憶障害とそれに伴う心理状態の変化が、周囲の人とのかかわりにどのように影響を与えるか、ということについてお話したいと思います。
「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要であり、診断・治療のためには地域のかかりつけの医師との情報共有が非常に重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはかかりつけの医師にご相談下さい。

 認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535

(認知症疾患医療センター CP 阿部

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2014年11月10日 (月)

認知症とは?④

 前回、アルツハイマー型認知症では、できごとや体験自体の記憶が忘却されやすくなるという (エピソード記憶障害)お話をしました。
 今回は、こういったアルツハイマー型認知症で特徴的な記憶の障害が、日常場面でどのように影響するのかということについてお話ししたいと思います。
 まず、一般的な記憶の性質について説明します。
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 もともと、人の記憶というのは上記の特徴があり、いろいろなことに影響され、内容がたやすく変化していきます。これは、ヒトがあらゆる環境変化に適応して、生存する確率を上げるための進化の一貫である、と考える学者もいます。いずれにしても、「個人の記憶」と「事実」は完全なイコールではありません。さて、この記憶内容の個人差を説明するために、一般的な記憶の成り立ちについてみてみましょう。
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 一般的に記憶には、かなり以前の記憶(遠隔記憶)、最近の記憶(近似記憶)、現在の記憶(即時記憶)、常識・知識・知恵(結晶性知能)に分類する事ができます。これらはお互いに密接に関連し、現在の出来事の認識・把握・記憶につながっていきます。ですので、個人の記憶は、内容の個人差と、ある程度、個人内の時間的な一貫性を持って成り立っています。つまり「昔は○○で、さっきは□□だった。一般的には◎◎であり、今△△な状況だ」というようになります。

 それでは出来事・体験の記憶(エピソード記憶)に支障をきたす認知症(特にアルツハイマー型認知症)では、記憶の成り立ちがどのように変化するのか見てみましょう。
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 前回のブログでお話しした通り、アルツハイマー型認知症では、ついさっきの記憶(したこと・あったこと)が薄れやすくなります。「さっき□□だった」ので「今、△△である」という繋がりが保てなくなるのです。ですので、現在の出来事の記憶には、かなり以前の出来事の記憶や個人の常識・知恵・知識のみによって関連づけざるを得なくなります。そうなると、現在の出来事の記憶は通常よりも、周囲の人から見れば勘違いや取り違いと判断されかねないようなアンバランスを生じるようになります。さらに、現在の出来事の記憶は時間の経過とともに、最近の出来事の記憶になっていきます。最近の出来事の記憶は、認知症では最も忘却されやすい記憶であり、よく見られる認知症の人に特徴的な言動として

  ・繰り返し同じことを尋ねる・話す(毎回初めて尋ねる・話すかのように)
  ・何度も探したり、物を出したり入れたり(毎回初めてした事のように)
  ・「そんなこと聞いてない!してない!」(何度も伝えたのに、したのに)

 

まるで初めての事かのように(←周囲の人から見れば)認知症の有る本人が言ったこと、聞いたこと、したことは、本人からすれば、まぎれもなく初めての事と認識されやすく、さらに、認知症の人にとって、現在の出来事は、突発的に起こった思いもかけない出来事と認識されることが多くなります。

 次回は認知症の人が現在の出来事を認識する際に、どのような心理状態になりやすく、どのような反応をとりやすいか、についてお話したいと思います。

「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要であり、診断・治療のためには地域のかかりつけの医師との情報共有が非常に重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはかかりつけの医師にご相談下さい。
認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535

(執筆者;CP阿部)

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2014年10月10日 (金)

認知症とは③

 

前回は、脳の機能を通して、認知症とは一体どのような疾患なのか?といった話題について述べました。今回は、認知症のなかでも特に、アルツハイマー型認知症の特徴についてお話したいと思います。アルツハイマー型認知症でみられる代表的な症状の一つに記憶障害があります。この記憶障害では、直近の体験や出来事自体の忘却(エピソード記憶の障害)がみられます。
 1 左側黄色枠内ではアルツハイマー型認知症でよく見られる症状を示しています。このような言動には記憶障害が関わっています。わかりやすくするために同じ内容の事柄で、表現を変えたものが右緑枠内です。置き忘れ→置いたことを忘れる しまい忘れ→しまったことを忘れる 同じことを何度も尋ねる→尋ねたことを忘れる など、「こと」という言葉を付け加えると、アルツハイマー型認知症で見られる記憶障害(エピソード記憶障害)の特徴がわかりやすくなります。つまり、出来事や体験自体の記憶が忘却されやすくなるということなのです。
 次に示す図は、通常私たちも経験するもの忘れと、アルツハイマー型認知症で見られるもの忘れを比較したものです。

 2 通常のもの忘れでは、記憶が虫食い穴のように落ち、何らかの手がかりがあれば空いた穴をある程度正確に埋め戻すことができます。しかしアルツハイマー型認知症の記憶障害では、ところどころですっぽりと抜け落ちたように記憶が失われます。この記憶の抜け落ちは、手がかりを使って正確に埋め戻すことが出来ません。さらに、時間的に現在に近い過去(数秒~数年前)の記憶ほど抜け落ちやすく、遠い過去(数十年前)の記憶はそれと比較すると抜け落ちにくいという特徴があります。
 次回は、こういったアルツハイマー型認知症で特徴的な記憶の障害が、日常場面において行動、発言や物事のとらえかたなどに、どのように影響するのかということについてお話ししたいと思います。
「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要であり、診断・治療のためには地域のかかりつけの医師との情報共有が非常に重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはかかりつけの医師にご相談下さい。

認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535

(執筆者;CP阿部)

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2014年9月 6日 (土)

認知症とは?②

 

前回は、認知症がありふれた疾患である、ということを疫学的視点から見てみました。今回は、脳の機能を通して、認知症とは一体どのような疾患なのか?といった話題に入っていきたいと思います。
 Image002  脳は、図のように部位によって、ある程度まとまった様々な機能を司っています。上の図で、水色で示した部位は、前頭葉と呼ばれています。前頭葉は、やる気、判断、決断、喜怒哀楽、理性、話す、運動、などといった機能に関わっています。
黄色で示した部位を側頭葉といい、音や言葉の理解、聴覚などの機能に関わっています。また側頭葉の内側には扁桃体(情動)、海馬(最近の記憶)とよばれる領域があります。

緑色で示した部位を頭頂葉といい、手順、空間認知(位置感覚)、感覚(温、痛、触)の認識や統合処理に関わっています。
 ピンク色で示した部位を後頭葉といい、おもに視覚に関わっています。
大ざっぱに脳の機能を部位ごとに説明しました。上記の様々な機能を総称して認知機能と呼びます。重要なことは、それぞれの部位が単独ではなく複雑に連携して働くことにより、私たちは外の環境を認識し、適応して生活しています。認知症とは認知機能が衰えることにより(図では特にオレンジ色でマークされたもの)、社会生活や家庭生活に支障を来たす状態を指します。部位ごとの衰えの強弱によって症状はさまざまであり、人によって症状の出かたには個人差があるわけです。
次回は、認知症の中でも特に、アルツハイマー型認知症の特徴についてお話したいと思います。

 「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要であり、診断・治療のためには地域のかかりつけの医師との情報共有が非常に重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはかかりつけの医師にご相談下さい。
認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535

(執筆者;CP阿部)

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2014年8月 7日 (木)

認知症とは?①

ブログに上げたこれまで全5回の話題としては、認知症疾患医療センターの5つの役割についてこれまでお話してきました。
①各種検査データや事前相談など多くの情報を元に鑑別診断、
②診断にもとづく適切な治療方針の決定、
③内科的異常の早期発見・治療、
④かかりつけ医、福祉施設、地域、行政など関連機関との連携、
⑤認知症に関する教育・啓発活動

今回からは、そもそも認知症とはどのような疾患なのか?という話題に入っていきたいと思います。

まずは認知症を疫学的視点から見てみましょう。 認知症に関する厚生労働省の統計では以下のデータが示されています。

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なんと、全国でおよそ462万人もの方々が、認知症に罹患していると予測されています。これは65歳以上の高齢者の約6人に1人の割合となります。上の図に軽度認知機能障害という言葉がありますが、これはさらに、最近の報告では60歳代→70歳代→80歳代別に発症率をみると10歳年齢を重ねると認知症の発症率は二倍になる、とわれています。つまり80歳代の方では60歳代の方よりも4倍ほど認知症を発症しやすくなる、ということです。
これを倉敷市の人口に当てはめて考えると以下のようになります。

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みなさんからみて、この16600人という数字は多く感じられますか?それとも少なく感じられますか?

これからも少子高齢社会は加速していきます。この数字は今後さらにふくれあがっていく可能性が高いでしょう。つまり、認知症は特別な疾患ではなく、誰でもなりうる「ありふれた病(common disease)」であるといわれています。

将来、自分自身が認知症を患ったときに、辛いことはできるだけすくなく、楽しいことはできるだけ多く、自分らしく生き続けていけるよう、今ここから、医療福祉を、隣近所、地域や行政を、少しづつ変えて行くための一歩を皆で踏み出すことが必要でしょう。

「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要であり、診断・治療のためには地域のかかりつけの医師との情報共有が非常に重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはかかりつけの医師にご相談下さい。

認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535

(執筆者;CP阿部)

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2014年7月 7日 (月)

認知症疾患医療センターの役割について⑤

 

認知症疾患医療センターには5つの役割があります。①各種検査データや事前相談など多くの情報を元に診断を行い、②診断にもとづく適切な治療方針を決定し、③内科的異常の早期発見・治療し、④かかりつけ病院との情報共有を行い、連携して治療にあたります。また、地域や行政など、関連機関などの部門とも連携し、よりよいケアの方法を患者様、ご家族の方々と共に考えていきます。また、⑤認知症に関する教育・啓発機関として機能することも、患者様と患者様の援助に携る方々を総合的にフォローしていくために、とても重要な役割となります。

 今回は役割⑤:認知症に関する教育・啓発機関についてご説明します。

認知症に関する教育・啓発機関
 厚生労働省が定める、認知症施策推進5ヶ年計画(オレンジプラン) では、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域の良い環境で暮らし続けることができる社会の実現を目指す、となっています。自助・互助の観念のもと、認知症疾患医療センター、かかりつけ医、介護施設、地域包括支援センター、家族会、地域自治体、行政など多くの機関が連携し、「その人がその人らしく生きていく」を支援していく社会がだんだんと整備されつつあることを前回ご説明しました。シームレスな連携を実現するためには、今回のブログテーマである認知症に関する教育、啓発活動が極めて重要になってきます。
Img_1010  認知症疾患センターでは医療の専門職だけでなく、一般の方々に対して、公開講座、セミナーや講演を行っています。倉敷平成病院では、一般の方々を対象に(専門職も含む)認知症セミナー、認知症公開講座、のぞみの会、神経セミナー、もの忘れ予防カフェや、もの忘れフォーラム(川崎医科大学付属病院と合同開催)等々認知症に関する教育・啓発・支援活動を実施しています。
 また専門職向けとして、岡山県西部認知症懇話会や、川崎医科大学附属病院認知症疾患医療センター及び倉敷市高齢者支援センター(地域包括支援センター)と合同で、認知症事例検討会を実施しています。
Img_4322  家族や介護者だけでなく地域全体を含めた多くの人々が認知症に関する理解を深めることは、介護を行う方だけでなく地域全体の、認知症を患う方を支える力の向上につながり、認知症を患う方々の日々の生きにくさを軽減することにつながります。

「もの忘れ」は早期発見・早期治療が重要であり、診断・治療のためには地域のかかりつけの医師との情報共有が非常に重要です。ご家族や身近な方、またはご自身のもの忘れが気になるという方は、まずはかかりつけの医師にご相談下さい。
認知症疾患医療センター相談室 直通電話番号:086-427-3535

(執筆者;CP阿部)

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2014年7月 6日 (日)

第2回『物忘れ予防カフェ』開催報告

 

Photo 当院の認知症疾患医療センターは平成24年3月28日に設立され、2年目が過ぎようとしています。
外来では毎日沢山の患者さんが受診する中、患者さんだけでなく『ご家族のケア』という課題を目標の1つとし、去年家族会として『物忘れ予防カフェ』を立ち上げることができました。

 このたび第2回『物忘れ予防カフェ』を平成26年6月21日(土)10時~12時に倉敷在宅総合ケアセンター4階多目的ホールで開催することが出来ました。
当日は21家族46名の参加を頂き、今回は2回目ということもあり、4家族の方々に幹事(ボランティア)として運営にご協力していただきました。喫茶コーナーや受付などのお手伝いをして頂き、患者さん・ご家族ともに素敵な笑顔で大活躍でした!!

 今回、『認知症予防』として『食』と『運動』と『交流』の3本柱があり、「健康作りの基本となる『食』はとても大事だということで彩りに気をつけた食生活を」と涌谷センター長から話がありました。
また『運動』は幹事(ボランティア)のご家族から『楽しく体を動かしたい』との要望があり、『リズムに合わせてエクササイズ』として『マルチタスク』を予防リハビリ・理学療法士・樋野主任に行なって頂きました。体を動かすことにより、皆さんリラックスすることが出来て笑顔が多く見られました。

 後半は飲み物やお菓子を食べながら苗のプレート作りにどらやき作り、昔懐かし物品などのコーナーを自由に回って頂き、しっかりご家族と患者さん、職員とご家族、職員と患者さんの『交流』を深めることができました。
 今後もご家族から幹事(ボランティア)を担ってもらい、共に企画・運営ができるような『物忘れ予防カフェ』として盛り上げていけたらと思います。そしてご家族の方々が『交流』の大切さを積極的に地域においても伝えていって頂けたらと思います。


認知症疾患医療センター/リハビリテーション部 CP 吉川 由起

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